親告罪とは
著作権侵害は「親告罪」のひとつです。親告罪、というのは、「告訴されてはじめて犯罪として立件される罪」です。実は「告訴」というのは被害者当人でなければできないもので、それ以外の人が警察に訴えたり罪を申告することを「告発」と言います。たとえば、窃盗や万引きなどは被害者がわざわざ告訴せずとも犯罪として扱われます。しかし著作権侵害は親告罪ですので、被害を受けた人、この場合は著作権者が訴えない限りは犯罪として立件されません。たとえばある漫画の海賊版が出ているとして、読者やファンがどれだけ「海賊版はけしからん!」と言っても、漫画の著作権者(作者や出版社)がアクションを起こさない限り、警察も動くことができないのです。これは、そもそも著作権法が「著作者の権利を守る」ために生まれたものなので、「権利を侵害された」かどうかを判断するのは著作者に任されているのです。たとえば、学生が人気のアニメキャラクターを描いて体育祭の応援旗にしてみたとします。しかし親告罪である以上、著作者がこれを見ても「まあこの程度いいか」と思えば、これは犯罪としては問われないのです。コンテンツを誰がどう利用できるか、著作者の判断によって決めることができるのです。一方で、親告罪であることの弊害もあります。著作者が気付かないところでの著作権侵害を摘発できなかったり、著作者が複数いる場合に告訴まで持っていくのが大変で、あきらめてしまうケースが多かったり。また、親告罪は「犯人がわかってから6ヶ月以内」に告訴しなければ、告訴の権利を失ってしまうのですが、もし「○○という会社が違法にキャラクターグッズを作って著作権侵害をしているらしい」などという情報を手に入れてから、その確証や証拠をつかみ、判断して、著作者が複数の場合はお互いの調整を行って告訴にこぎつけるのに6ヶ月以上かかってしまうと、後は著作権者であっても何も言えないということになってしまいます。海賊版、違法コピーのグッズなどが増えてきた現在、著作者にとってこうしたものに対応する負担が大きくなっています。現状に対応するため、著作権の一部を非親告化しようという動きも出ています。しかし著作権の性格上、非親告化への反対も根強く、現状に合わせた著作権法の改正についての話し合いが持たれているところです。
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